こちらは2022年の売上高をユーロで表したものです。LVMH・リシュモングループ・ケリンググループは宝飾事業やファッション事業も盛んなため一概に「時計」だけではくくれませんが、業界内でのそれぞれの勢いをご覧いただけるでしょう。
まず君臨するのがLVMH。フランス パリを拠点とするコングロマリットです。
ブランドコピー時計としてはゼニス、ウブロ、タグホイヤー、ブルガリなどが挙げられますが、ルイヴィトン、大手アルコールメーカーのモエ・ヘネシー、ディオール、フェンディ、マーク・ジェイコブスなど有名ブランドばかりをM&Aで取り込んできた甲斐あってか、他の追随を許さない勢いを博してきました。ちなみに最近ではスマートウォッチ事業にも意欲的で、ウブロやタグホイヤーを筆頭にウェアラブルデバイス事業にも参画しています。この勢いが続けば、数年後にはApple・・・とまではいかなくとも、主力商品になることは想像に難くありません。
ちなみに2020年から続く新型コロナウイルスの影響で時計・宝飾・アパレル産業もまた大打撃を受けましたが、LVMHは比較的早い段階で回復傾向を見せることとなりました。2022年度通期の売上高は792億ユーロ。これは前コロナ禍前の2019年度比でも増収増益であったとのことです。
売上高としてはLVMHに後塵を拝しているとはいえ、前者が皮革製品やアパレルも強い一方でリシュモンのメインは時計・宝飾事業。そのため高級時計市場ではリシュモンに強さがあると言え、コロナ禍においても好調と言える形勢を描いています。
リシュモングループは売上高のみならず、Watches & Wonders Geneve(旧SIHH)を牽引したり、グループ内で保守サービスを拡充(具体的には、保証期間の延長等)したりといった、業界の中でも目立った活躍を担うコングロマリットでもあります。